美味しいの料理学考 +CONTENTS +
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美味しいってなに?

味覚は主観か?

べ物を口に入れたとき、舌の各所で異なる味覚を感じるそうです。

(1)塩味
:塩をなめたときに感じるような辛いという感覚は主に舌の前側部に敏感な場所があります。

(2)酸っぱい:レモンをなめたときに感じるすっぱいという感覚は酸によって起こる感覚です。すっぱいという感覚の強さは水素イオン濃度に関係しています。すっぱさは舌の側部で感じます。

(3)甘い砂糖をなめたときにあまいという感覚がおこります。あまさに対する感覚は舌の先端部に敏感な場所があります。

(4)苦い :たばこのニコチン、コーヒーのカフェインなど苦く感じます。これは植物の毒素の多くはアルカロイドであるからであるという説があります。これを美味しいと感じるのはまた不思議です。 苦いという感覚は舌の奥の方が敏感です。

 以上を4基本味と呼ぶそうです。上記4味のほかにも
辛味、渋味、刺激味、無味、脂身味、アルカリ味、金属味、電気の味の味を人間は感じているそうです。

しかしその感じ方は人それぞれで、塩味を強く感じやすい人もいれば、あまさを感じにくい人もいる。つまり同じ塩分濃度でも人により感じ方が異なるというのです。

もっとややこしいのは、同じ人でも時々の体調や、気温、状況により味覚は常に変化するそうなのです。

結論を述べると、どんなに科学的に料理を分析しても各人に同じ味(各人が感じる味)を提供することができない。また昨日と同じ人に同じ味覚分析値の料理を提供しても、同じに感じてもらえないという結果になるのです。




昔の大多数のレストランは美味しかったと感じるのは錯覚

庭の食事と比べとても美味しかったと感じたのは錯覚(いや中には本当に美味しい店は有ったと思いますが)だった理由をあげてみます。

@雰囲気が家庭と違う
昭和の時代、家族で外食は一大イベントでした。冷房の効いた店内・広いテーブル・おしゃれなメニュー・豪華な店内。それだけで美味しく感じてしまったのでは?
また、価格も高かったのです。ジャンクフードの代名詞Mハンバーガーですら当時M社のアルバイト時給が300円だったのにハンバーガーは150円だったのです。今時給が900円だとすると450円!とてつもなく豪華な食事だったと思いませんか?

A食材のバリエーション
昭和30年代で冷凍庫を持っていた家はどのくらい有ったでしょうか。また流通もまだ今ほど整備されていなかったため、今では簡単に手に入る食材が、一部の地域以外では手にできませんでした。

B調味料の違い
その頃家庭に常備してあった調味料は、塩、醤油、ソース、味噌、こしょう、味の素他こんな物だったでしょう。洋食では当たり前の、ナツメグ・ローレル・バジル・オレガノ等香辛料は見たこともない人が多かったに違いません。外食のハンバーグに入っていたナツメグの香りに豪華さを感じたのでは?

C調理技術の違い
今外食をして、とてつもなく不味い店をみかけなくなりました。これはレトルト・冷凍食品・チルド流通・真空調理等の技術の発展により、昔のように人の手による仕込み作業が少なくなり大手メーカーが開発したそれなりの商品を提供しているからです。





つまり美味しいって何?

20世紀初頭に「うま味」成分が発見され、美味しいが科学的に分析できるようになりました。
どのような成分の「うま味」が入った食材を,どのように組み合わせるかにより「うま味」を意識した料理を作ることができるのです。

では美味しい料理を食べるには?
1.そのとき食べる人の好み・体調を考え味付けをする。
2.家庭で食べるときもちょっとした工夫(テーブルクロス・小物等・盛り皿で雰囲気を作る)
3.適正な食材と、不可欠な調味料で味付けをする
4.
メーカー品やレトルトも場合によっては使う
5.「うま味」を意識したレシピで作る。